スポーツファーマシスト制度とは?

薬剤師の専門性:公認スポーツファーマシスト制度

スポーツの世界にも、薬剤師の専門性を活かせる制度があります。それが公認スポーツファーマシスト制度です。この資格は、スポーツ界の“ドーピング問題”と深くかかわっています。

20年ほど前から、スポーツ界ではドーピングが問題となってきました。筋肉増強剤、興奮剤など色々な薬剤が、スポーツのパフォーマンス向上のために用いられているのです。それは単に不公平といった問題にとどまらず、選手自身の命を脅かすことにもつながる、決して看過できない問題となっています。

世界的にはドーピングを行う選手があとを絶たないため、規制はどんどん厳しくなりました。 すると今度は別の問題が起こってしまうようになったのです。 それは“意図的でないドーピング”です。

秀でたパフォーマンス向上効果がないにしても、少しでも禁止薬物が入っているものを意図的にしろ意図的でないにしろ摂取してしまうとそれは違反となります。選手がうっかり禁止薬物を使ってしまい、違反となってしまうことが起きてしまうようになったのです。

風邪薬、頭痛薬、湿布薬などでも使用できないことが少なくありません。 医薬品にとどまらず、栄養ドリンク剤などもドーピング違反になってしまいます。

こうした“不幸な事態”を防ぐために、また医薬品に対する正しい知識を持ってもらうためにできたのが、公認スポーツファーマシスト制度なのです。この制度は、日本薬剤師会と日本アンチ・ドーピング機構とが協同で行っています。

主な活動は、国体出場選手や日本を代表するような選手に対しての情報提供や啓発活動、ドーピングに関する講演活動などです。

公認スポーツファーマシスト制度の認定を受けるには、基礎講習会と実務講習会を受講しなければなりません。さらに試験への合格が必須となっています。

近年は健康やジョギングブームなどで、一般の人もスポーツをする機会が増えてきました。 これらの人がドーピングで処分を受けることは少ないかもしれませんが、運動中に摂取しないほうがよい薬物を摂取してしまっている例は少なくありません。

それによって本来健康や楽しみのために行っているのに、予期せぬケガや病気になってしまうこともあるのです。今後はこういった面でも公認スポーツファーマシストの活躍が期待されています。